海外調査団(10/28~11/1)

2024年11月3日

10月27日に日本を出発し、ベルギーとオランダに海外調査団として行ってまいりました。今回は団長としての役割もあり、少し緊張気味の海外調査となりました。10月28日の初日は「欧州委員会(DG AGRI)を訪問しました。「EUのスマート農業の取組、EUの農業関係の政策目標(Farm to fork戦略、共通農業政策(CAP)」について伺いました。代表はじめ女性ばかりのスタッフに驚きました。

 

団長としてのご挨拶からスタートです。本県では『スマート農業普及推進計画』を策定し、産地の実情や農業者の発展段階に応じた秘術導入を支援してます。EU共通農業政策を参考に本県のスマート農業の推進の参考にしたいと思います。」と話しました。EUは最初10か国で始まりましたが、今は25か国まで増えたそうです。お互いに協力し合って、国力を高めたいとのことでした。

 

2日目の29日は、「アントワープ・ブルージュ港湾会社」を訪問しました。ここは2025年までに港湾内から排出される年間250万トンのCO2を回収・貯蔵するためのプロジェクトに取り組んでいるとのことです。愛知県も2030年までに年間65万トンのCO2の削減を目標に港湾の環境整備に力を入れています。「クリーンエネルギー導入に向けた取組」について現状を調査しました。

 

29日の午後は「インターナショナル・カー・オペレーターズ(ICO)」を訪問しました。ここは日本郵船の子会社で、完成車専用ターミナルの運営を行っています。風力発電タービンを11機導入し、ターミナル内の年間電力需要を100%賄っており、ターミナル内のCO2排出量を年間50,000トン削減しているとのこと。本県も温室ガス排出量削減のため、現状を調査してきました。

 

3日目の30日は「ワールド・ホルティ・センター」に伺いました。オランダでは99%がガラスでできた温室で農業がされており驚きました。世界有数の農業輸出国で、AIによる最先端技術の研究や企業による農業に取り組んでおり、39の温室を備えた研究センターがあり、企業・教育・研究・公的機関が一体となって研究がされていました。午後はジェトロ・アムステルダム事務所に伺いました。

 

4日目の31日は「クボタ イノベーションセンター ヨーロッパ」を訪問しました。ここでの目的は、EU圏内のスマート農業関連の最先端技術の収集、農機の自動化、農業のデータ活用によるスマート農業を推進することです。年に5~6回、紫外線を当てることで病原菌に強くなり、化学肥料を減らすことができる研究や、ドローンで収穫することで農業従事者減少に対応する等を調査しました。

 

31日の午後はワーヘニンゲン大学を訪問しました。設立は1676年で12学部ある公立大学です。世界トップクラスの農業大学で、オランダの農業の競争力を支える技術開発を生み出す『ゴールデントライアングル』と呼ばれる産官学連携の中核を担う大学です。世界100か国から学生が来ているそうですが、今は秋休みで学生はほとんど見られませんでした。規模の大きさに驚くばかりでした。

 

11月1日の午前は「ドクター・スハエプマンスクール」で『イエナプラン教育』について調査しました。教育目標は「①自分自身を大切に ②お互いを大切に ③環境を大切に」です。「イエナプラン」の特性は「①経験の重視 ②発達の重視 ③世界に目を開いている ④協働の重視 ⑤批判精神の重視 ⑥意義を求める喜び」で、自信を持たせ、肯定感を持てる子どもに育てることが目標とのことでした。

 

1日の午後は「ヘット・エービーシー(Het ABC)に出かけました。1973年に公的機関として設置、2000年頃に民営化され学校の教育活動を支える機関です。教材や教育方法の研究と開発、教員の現職研修、学校現場の課題への専門的な立場から支援を行っているそうです。調査から多くの刺激を受けて帰ってきました。本県に導入できるか検討しながら、良い面をお手本にしていきたいと思います。

 

今回の調査事項については、参加議員がそれぞれのテーマで報告事項をまとめ、今年度中に冊子を作成します。私も前文を担当します。病気やけが、事故もなく無事に調査を終えて帰国することが出来ました。団長としてなんとか任務を果たすことが出来て、ほっとしています。参加議員の皆様、事務局・旅行者の方々、関係各位の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。